生まれたばかりの仔犬が、母犬からもらう母乳(初乳)には、赤ちゃんを病気から守る免疫物質(抗体)を非常に多く含んでいます。
免疫物質(抗体)が赤ちゃんの呼吸器や粘膜の表面をおおって、色々なウイルスなどが侵入して病気になるのを防いでくれるのです。この移行抗体は42日以降、徐々に消失してしまい以後は自分で抗体を作らなければいけません。
そこで、仔犬は移行抗体が無くなりかけた無防備な時にワクチンを打ち、免疫を補う必要があります。
ワクチン接種の難しい点は、移行抗体が残っている時にワクチンを打っても、移行抗体が残っていると、仔犬の体内で抗体が作られません。しかも移行抗体が切れる日時を特定することはできないのです。
したがって、移行抗体が消える時期を想定して、何回かワクチン接種する必要があります。まず「最も早く抗体が切れてしまうケース」を想定して、生後40~60日目に第1回目のワクチン接種をします。また、ワクチンは病気を予防するものですので、人間と同様に体調の良い時に接種してあげるようにしてください。
第1回目はもしかしたら移行抗体が残っていて、仔犬自身が抗体をつくっていない可能性があるので、その約1ヶ月後、第2回目のワクチンを接種する必要があります。
そして、第2回目のワクチンの時期が、生後14週を超えていないようならさらに約1ヶ月後、第3回ワクチン接種が必要です。その後は毎年1年に1回の接種となります。
ワクチンで予防できる犬の病気は、次の通りです。
一度発症すると命に関わる病気もありますので予防対策のワクチン接種は必要不可欠です。大切な家族(ペット)の病気を未然に防いであげましょう。
ワクチンの種類としては5種、6種、8種、9種などありますが、仔犬の時はレプトスピラ病の入っていない5種または6種がよいでしょう。
ワクチンで予防できる猫の病気は、次の通りです。
猫の場合も一度発症すると命に関わる病気もありますので、予防は必要不可欠です。猫のワクチンは3種、5種などがあります。
ワクチンの種類は、種類や飼育の環境、地域の特性などを考えて適切な種類を処方しますので、初めての方はまずご相談ください。
本剤接種後アレルギー反応はおおよそ3時間以降、アナフィラキシー反応は30分位までに発現する場合が多く見られます。
注射後には、まれに一過性の疼痛(ずきずき痛む様子)、元気・食欲の不振下痢または嘔吐などがみられる場合があります。
過敏な体質のものでは、まれにアレルギー反応(顔面腫脹、掻痒、じんましん等)、またはアナフィラキシー反応(ショック)が起こる場合もあります。
接種当日は、極度の運動をやめ安静にしてください。また、ワクチン接種動物に対して十分に注意・観察をしてあげてください。万が一、上記の症状が発現した場合、もしくは疑われる場合は当院(0586-81-1241)までご連絡をいただけますようお願い申し上げます。
注)ワクチンは、接種して効果が出るまで(抗体ができるまで)2週間ほどかかります。特に接種後1週間は、体に負担がかかっていますので強いストレスがかからないように飼い主様としてご注意を下さいますようお願い申し上げます。